Designing Recognition for Traditional Craftsmanship 伝統工芸の未来を紡ぐ顕彰デザイン

日本の伝統工芸は、長い歴史の中で培われた卓越した技術や精神性を受け継ぎながらも、後継者不足や市場縮小といった課題に直面しています。三井ゴールデン匠賞は、そのような状況の中で、伝統を守りながら未来へつなぐ挑戦を続ける職人や団体に光を当て、その価値を社会へ広く発信することを目的として創設された顕彰制度です。私たちは本プロジェクトにおいて、ロゴマーク、ポスタービジュアル、募集要項、目録など、一連のコミュニケーションデザインを担当いたしました。ロゴマークには、武田双雲氏による力強く伸びやかな揮毫を採用。受け継がれてきた伝統技術への敬意と、未来へ挑戦する匠たちの志を象徴的に表現しました。私たちはその書の持つ躍動感や精神性を活かしながら、顕彰制度としての品格と信頼感を備えたロゴマークへと昇華。伝統と革新が共存する賞の理念を視覚的に伝えるアイデンティティを構築しています。ポスターや広報ツールでは、工芸品そのものの美しさだけでなく、その背景にある職人の想いや技術の継承、地域文化とのつながりに焦点を当て、伝統工芸をより身近に感じられる世界観を設計しました。また、募集要項や応募関連ツールでは、応募者が必要な情報へ迷うことなくたどり着けるよう情報設計を整理し、複雑な応募条件や審査内容を分かりやすく伝達しています。さらに、受賞者を紹介する目録では、それぞれの取り組みや技術の価値を丁寧に編集・可視化し、単なる記録集ではなく、日本のものづくり文化を次世代へ継承するアーカイブとしての役割を担うデザインを目指しました。伝統工芸を守ることは、過去を保存することではなく、その価値を未来へ受け渡していくことです。私たちはデザインの力によって、人・技術・文化を結び、社会と伝統工芸との新たな接点を創出するコミュニケーションデザインを実現しました。

Client : 三井広報委員会

Art Direction: TIDE DESIGN

Design: TIDE DESIGN

Product Photographer: Kohei Okuda(the96photography)